前原氏 写真

2020年スローガン ~Be strong~

 

理事長所信

~はじめに~

 戦後の混乱期、明るい豊かな社会の実現を目指して、首都東京から青年会議所が設立され、その後全国各地で青年会議所運動が広がっていきました。そして、1959年9月に全国173番目のLOMとして豊川青年会議所が活動をスタートし、本年61年目を迎えます。

 青年会議所で活動をしている我々現役メンバーは、これまで先輩諸兄が明るい豊かな社会の実現に向けて活動し続けていただいたこと、そして地域の方々から多くの応援をいただいたことで、現在様々な活動をすることができています。そのことにまず感謝の気持ちを持ち、そして積み重ねた団体としての信頼を大切にし、これからもまちの発展に繋がる事業を展開していくことが必要です。

今後も持続可能なまちを次の世代へと繋いでいくためには、変化する時代のニーズを読み取り、地域から何を求められているのかを考え、効果的な活動を継続的に行うことです。

青年会議所活動は何かに縛られることはありません。そして、様々な可能性のある行動を起こすことができます。先行きが不透明と言われる時代だからこそ、我々のような青年が、青年らしく失敗を恐れずに様々なことに挑戦し、どのような時代になっても負けない強いまちの創造を目指して1年間活動してまいります。

 

~人としてのあり方~

 国連の関連団体が世界156カ国を対象に調査し発表した「世界幸福度ランキング 2019」によると、日本は2018年の54位から4つ順位を下げ58位となっております。物質的に豊かで治安も良いと言われている日本ですが、結果を見るとあまり幸福を感じられていないということになります。

では、なぜ日本よりも物質的に貧しいと言われている国の人々が、幸福を感じられているのでしょうか。それは、物事に対する感謝の気持ちがあるからだと思います。日本は東洋の奇跡と言われた高度経済成長を成し遂げました。結果として国は非常に物質的に豊かになり、義務教育を基礎とした教育制度も整備され、人としての生活が当たり前のようにできるようになりました。しかし、この「当たり前」というものが、いつしか物事に対して「有り難い」という気持ちを欠如させてしまったのではないかと考えます。「当たり前」と思うのか、それとも「有り難い」と思うのか。この考えるスタンスの違いで、物事の受け捉え方は大きく変わります。感謝の気持ちを持つことは人間関係を円滑にするとともに、感謝を心がけると運もよくなり成功にもつながると、多くの成功者も語っています。

また、人は一人では生きていけず、周りの人と協力し合って生きていきます。自分のことしか考えていない利己的な態度では、誰の協力も得られません。一方、利他の心で「人のため」という行動をすれば、みんなが協力してくれます。そして、協力者から様々な助言もいただけるため、視野も広くなり正しい行動ができるようになります。自分だけのことを考えて行動するのではなく、周りの人のことを考え、思いやりに満ちた「利他の精神」を持つことが大切です。

有り難いという感謝の気持ち、人のために行動する利他の精神を持つことの大切さを伝え、人間力溢れる人材の輪を広げる活動を行ってまいります。

 

〜まちに多くの観光客を呼び込む〜

豊川市の生活環境は恵まれている方だと思います。真夏でもニュースになるほど暑くなることはなく、冬も雪が積もることはほとんどありません。高速道路のインターチェンジもあれば、JRや名鉄の鉄道もそこまで不自由ない本数が運行されています。そのおかげもあり、現在も駅周辺では住宅地の整備が進められており、その状況は少子高齢化の波を感じさせません。

しかし、総務省「国勢調査」、国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口」によると、豊川市の人口は今から将来的に減少すると予想され、特に15歳以上65歳未満の生産人口の減少が予想されています。このような状況の中で、地域が活性化し持続的な発展を続けるためには、政府が発表した「明日の日本を支える観光ビジョン」にも書かれているように、観光客を呼び込むことが地方創生への切り札となります。そのためには官民一体となり、豊川市のブランド力を高める取り組みが必要です。

豊川市は豊川稲荷が有名ですが、それだけではありません。豊川稲荷に限らず多くの観光スポットがあり、豊川用水により様々な農作物なども豊富に生産されています。しかし、これらのような財産を最大限生かしているとは言い切れません。豊川市にまだまだ知れ渡っていない財産を発掘し、豊川市が強力に認知され、多くの観光客を呼び込めるようなまちのブランドの創造を目指してまいります。

 

~子どもたちを強く育てる~

 「若い時の苦労は買ってでもせよ」

これは、若い時にする苦労は必ず貴重な経験となって将来役立つものだから、求めてでもするほうがよいという意味の言葉であります。この言葉のとおり様々な経験をすることは重要であり、身をもって体験したことが一番の学びになります。

しかし、最近いろいろなことをやろうとする子どもに対して、失敗させたくないと大人が変に気遣い先回りして苦労を経験させなかったり、大きな可能性を秘めた子どもたちの夢を大人が勝手に無理と決めつけやらせなかったりするケースを見ます。また、仮にやらせたとしても、「なにやってるんだ」「~だからダメだ」といった否定語ばかりを投げかけ、結果ばかりを責め、子どもがやる気をなくしてしまうケースが見受けられます。

子どもは未来の日本を支える社会の宝物です。子どもたちの成長が今後の社会の成長になります。言い換えると子どもたちの成長なくして社会の発展はありません。子どもたちは様々な経験を積み、強くなっていきます。そして、その積み重ねた経験を糧に、やがて大きな夢を叶えることもあります。子どもたちが成長し目標を達成するためには、大人の適切なサポートと失敗を恐れず挑戦し続ける強い精神力を持つことです。多くの子どもたちが様々な経験をして、やがてそれぞれの夢を叶えることができるよう、子供たちを強く育てる活動をしてまいります。

 

~強く負けない経営を目指して~

最近、世の中の物のニーズの移り変わりは非常に早いと感じています。一例をあげると、一昔前はフィルムカメラがデジタルカメラに移行しましたが、その市場も今ではスマートフォンのカメラに何割か奪われております。どのような企業でも先々安泰とは言えず、大企業からも終身雇用制度を守ることが難しいとの声も聞かれます。

しかし、どこも安泰ではないということは、逆にチャンスでもあります。一昔前では考えられなかった職業も出現しています。このような時代に大切なことは、アンテナを張り時代の流れやニーズを掴むこと、今までの常識にとらわれず柔軟な発想をすること、変化を恐れないことだと思います。

我々青年会議所メンバーはほとんどが経営者です。様々な業種のメンバーが揃っており、新たな多くの情報をみんなで共有することもできます。先行きが不透明な時代だからこそ、このような団体としての強みを生かし、自社の経営を発展させることが必要です。また、経営状態がより良くなれば、多くの雇用を生み出すこともできます。強く負けない経営のできる会社を育て、まちを活性化できるよう活動してまいります。

 

〜ブランディング広報〜

 SNSの発達により、誰でも様々な情報を多様な媒体で発信できるようになりました。スマートフォンをワンクリックすれば、自分の送りたい情報を発信でき、世界中の人に見せることができます。一人一台のスマートフォンを持つ時代に、SNSをはじめとするインターネットを活用した広報は、団体のブランディングに必要不可欠であります。

 広報は仕入れた情報をよりスピーディーに伝えることで効果を発揮します。現在の社会は情報発信が容易にできるようになったことで、様々な情報で溢れかえっています。スピード感のない発信は、時にはチャンスを逃すことも考えられます。また、ただ単に情報を発信するだけでなく、他者との差別化を図り、インパクトのある発信で、受信者に興味を持ってもらうことが必要です。

そして、広報は更新頻度も重要です。人は接する回数が増えるほど、その対象に対して好印象をもつようになるという「ザイオンス効果」があります。青年会議所の活動は月1回の例会に限らず、様々な活動を行っております。どんなに良い活動をしていても、それを外部に発信しなければ知られることはありません。それらを定期的に発信し当団体の活動を知っていただき、好感を持ち応援していただければ、我々の活動はより効果的なものになります。

 スピーディーかつインパクトのある情報を数多く発信し、多くの方に我々の活動を知っていただき、共により良いまちづくりができるよう努めてまいります。

 

~同志を増やす~

 社会情勢の影響もあり、全国的に青年会議所の会員数は減少傾向にあります。豊川青年会議所においても1997年に最大139名の会員が在籍していましたが、そこから減少傾向にあります。しかしここ数年、豊川青年会議所の会員拡大活動は一定の成果をあげており、会員数は一定数を保っております。

 会員拡大活動は最重要課題であります。40歳で定年を迎えるという青年会議所の決まりがある以上、現在の会員構成を見ると、ひとたび油断すれば忽ち会員数は半減の危機を迎えます。我々一般社団法人豊川青年会議所は、会員の労力と納める会費によって成り立っています。したがって会員数の増減は、直接的に団体としての活動力に繋がっていきます。会員数が多ければ多いほど、我々の活動はより力強くなり、それを続けることで我々が目指す明るい豊かな社会の実現に繋がっていきます。

今後も当団体がこのまちの発展に寄与できるよう、会員一人ひとりが当事者意識を持ち、全LOM体制で会員拡大活動を行ってまいります。

 

~むすびに~

 私たちはそれぞれ会社での仕事があり、家族との時間も必要としています。そのような状況の中で青年会議所活動を認めてくれた会社や家族は、みなさんの成長を期待しています。私たちは青年会議所に入会させてよかったと思われるよう、青年会議所での活動を意味のあるものにしなければなりません。

そのための第一歩は、ありきたりかもしれませんが青年会議所活動に参加することです。かくいう私も、入会当初なかなか活動に積極的に参加できず、言い訳ばかり並べていました。しかし、熱心に誘われ事業に参加した時、事業を担当するメンバーの頑張りや苦労を知り、参加する重要性に気づきました。

業種も年齢もバラバラな私たちですが、縁あって豊川青年会議所に入会し、今一緒に活動しています。それぞれ事業を担当する私たちの仲間が、仕事や家庭がある中で、工夫して時間を作り活動しています。忙しいのは多かれ少なかれ、みんな同じだと思います。何でもそうですが、できない言い訳ばかりを並べて何も事を起こさなければ、自分の成長はありません。少しでいいので、自分の限界を広げるための背伸びをしようとすることが大切だと思います。様々な役職を経験できる青年会議所活動は、自分次第で大きく成長できるチャンスがある場所です。

私たちは「明るい豊かな社会の実現」を活動目的として、豊川市の明るい未来を真剣に考え、本気で課題に取り組みます。それは決して簡単なことではなく、メンバー一人ひとりの参加が必要不可欠です。

2020年度、メンバー誰一人欠けることなく全力で、決して困難から逃げることなく、豊川市の未来のために活動してまいります。

 

 

~活動方針~

1. 困難から逃げることなく、地域の課題に取り組みます。

2. 豊川市の将来を見据え、明るい未来の実現のために行動します。

3. 時代のニーズを捉え、地域から信頼をいただける活動を進めます。