一般社団法人豊川青年会議所 2025年度理事長所信

理事長 豊田 圭祐

【はじめに】

 皆さんは、豊川青年会議所にどのような期待をしていますか?

2019年、私は取引先の方に「とりあえず入ってみなよ」と声をかけていただき仮入会をしました。当時、私は父の会社に戻って3年ほどであり2020年には代表を変わると言われていた時期でした。

 仕事もあまり順調とは言えない中で、“もしかしたら何か変わるかもしれない。”と漠然とした思いで入会したのを昨日のことのように思い出します。入会してすぐにコロナが蔓延し、あまり活動らしいものができず「青年会議所とはなんだろう?」と考える日々が多々ありました。しかし、参加すれば楽しく、仲間に恵まれ、たわいもない話もできる環境が居心地の良い空間だったと感じています。

 コロナが明け始めた2022年、公益社団法人日本青年会議所の新たな資本主義創造会議の総括幹事として出向した際に「見えない相手のために活動する利他の心」を学び大きな影響を与えてくれました。日本青年会議所は全国の青年会議所メンバーのために考え抜いたことを運動発信しています。私はこれが青年会議所活動の魅力の1つだと考えています。

「青年会議所は運動を起こす団体であり、運動は幸せを生み出す装置である。」
2022年日本青年会議所の会頭中島土先輩の言葉です。 豊川青年会議所に所属するメンバーが、豊川市の明るい未来や自身の成長やなりたい姿を想像しながら語り合える年となるよう活動してまいります。

【ジュニアアカデミー】

 2024年、私は公益社団法人日本青年会議所が実施する事業の1つである国際アカデミーへ参加させていただきました。そこには、世界80か国の国や地域の次年度会頭が集まり、1週間寝食を共にし、リーダーシップとは何か、より良い国や地域にするためにはどうしたらいいのか、を考えました。

 私自身、海外はあまり経験がありません。大学3年生のころ海外で学ぶよりも部活動を優先していたため留学を勧められても断った経緯があり、このことをとても後悔をしていました。しかし、青年会議所に入ったことで1週間、他国の人と学び合うことができる機会を得られ、そこでの経験がグローバルな視野を持つことの必要性や多様な考え方を持つきっかけとなりました。

 「子どもたちにも同じような機会を提供できたら、どれほど良いだろう。」と想い、将来海外でも臆することなく活躍できる人財を育成する環境を整えつつ、まずは海外との異文化交流し言語に縛られること無く実践しながら、グローバルな視点や多様な考え方を持つことで今後の人生の可能性を広めることができる機会を創造してまいります。

 

【会員交流・国際交流】

 私は、昨年の世界会議スイス大会に参加し、それが約20年ぶりの海外経験でした。ブースでは、手筒花火と狐のお面、提灯を持参し、世界各国のJCIメンバーに豊川の文化を知っていただき、会議終了後には海外メンバーから「この狐のお面とても素敵ね」、「思い出になる写真になったよ」と声をかけていただき、拙い会話でも一緒の空間をともにすることで、私たちの地元の文化の良さを伝えることができたことで豊川への誇りを持つこときっかけとなりました。

 また、京都会議、サマーコンファレンス、全国大会や東三河5JCエリア会議などの国内の会議にも参加させていただくことで、その土地の魅力や特徴を知るきっかけにもなります。私はここに参加したメンバーと同じ空間を共にし、また違った一面を知るきっかけとなり、メンバーとの関係を深める大きな機会となります。

 ぜひ、多くのメンバーとともに各種大会・会議へ参加し、その土地の空気や街を感じ、世界中の仲間たちと触れ合い、メンバー同士の交流を図ることで自身の人生観、価値観を広げるための機会を提供したいと考えております。

 

【とよかWActiveシティに向けて】

 2024年に豊川青年会議所は65周年という節目を迎え、JC以外の目線を取り入れることで豊川市の課題を再度見直す機会をつくりました。その際には、今後も持続的にまちを発展させていくために豊川市民、行政・企業・地域団体など豊川に関わる多くのステークホルダーの方々と共に、「とよかわキャリア教育」、「とよかわ愛」、「とよかわスタートアップ」、「とよかわコミュニティープレイス」の4つの重点項目を豊川のビジョンとして策定し、重点項目を総称したものを「とよかWActiveシティ」と呼ぶこととしました。

 しかし、具体的なビジョンの実現に向けた動きは未確定で終わってしまったため、本年度はその一歩目を豊川青年会議所が踏み出す必要があると考えております。

 そのため引き続き行政や関係団体、ステークホルダーと関わり、さらに我々の持つ全国の青年会議所のネットワークを活かし、「とよかWActiveシティ」の実現に向けた運動を展開してまいります。

 

【若者と考える豊川】

 私は、元々まちづくりに関心があった人間ではありません。そんな私が、まちづくりに関心を持つきっかけになったのは、青年会議所活動でした。

 豊川青年会議所の顧問には、豊川市長がいらっしゃり、またOBの中には、衆議院議員や市議会議員の方々もおり、現役メンバーとしても市議会議員や行政職員が共に活動してくれているため、まちづくりに関わろうとせずとも青年会議所活動のなかで無意識に考える機会が訪れます。だからこそ、関心が湧き豊川市が良くなるために、とメンバーの多くが口を揃えて話をするのだと考えています。

 これから10年後、20年後このまちを率いていくのは間違いなく今の若者です。その若者が一人でも多くまちづくりに対し興味や関心を持ち、豊川が今後どうなっていくべきかを考えられる機会を創造します。

 

【人財育成】

 豊川青年会議所に入会したメンバーの多くが人脈形成や自身の成長、社業に役立つことを学びたいなどの目的を持ち入会しているかと思いますが、どれほど目的を達成している人がいるでしょうか。

 私自身入会してからの7年間、青年会議所活動に積極的にトライしたことで人脈形成の目的を達成することができています。しかし、近年事業や例会への参加率は減少傾向にあり、また正会員数も近年では最も少ない数でスタートします。これを打破するためには、やはり青年会議所メンバーが目的を達成するためにどうしたら良いのか、アンテナを張り、事業を実施する必要があると考えております。

 参加しなければ人脈形成や自身の成長、社業の発展に繋がらないと実感しているため、いまよりも多くのメンバーに個人の成長の機会を提供し、また、新入会員にはその人独自の価値観や才能を尊重し、活躍できる場を形成してまいります。

 

【組織改革】

 私は青年会議所こそ持続可能な団体であるべきと考えています。そのために時代に沿った組織改革をしていく必要があると考えています。明るい豊かな社会を目指すため組織改革をやめるわけにはいきません。

 2021年に私は会務理事として組織運営に関わらせていただきました。その年は、JCルームにある多様な書類をデジタル化し、データとしていつでもメンバーの皆さんが閲覧できるようにし、事務局のデジタル化への足掛かりを作りました。しかし、デジタル化にしたことで簡単にデータや資料が見られると考えていましたが、デジタル化したことを周知徹底できておらず、共有しきれていないことが課題としてあると感じています。

 そこでまずは、情報を理事会だけで終わるのではなく全メンバーに向けて現在の活動の進捗や事業に向けた準備、出向者の活躍や愛知ブロック協議会、東海地区協議会、日本青年会議所で行われている事業の内容をすべてのメンバーが自身の成長や会社の発展のために生かせるよう共有して参ります。  常により良い組織運営をするために東三河および愛知県内だけでなく全国の青年会議所の活動情報をつかみながら豊川青年会議所として取り入れ、トライ&エラーを繰り返しながら組織運営してまいります。

 

【拡大会議体の設置】

 20歳から40歳までの人々が所属する青年会議所は、多種多様な背景を持つメンバーが所属しており多くの人と出会うことができます。私には無かった価値観を共に活動することで得ることができました。また、私が青年会議所に在籍し続けている理由の1つが「仲間」の存在であり、様々な場面で活躍する同期をはじめ先輩、後輩の姿に日々刺激を受け青年会議所活動に積極的にトライするきっかけにもなりました。

 青年会議所が持続的な活動を行っていくためには、会員拡大は「至上命題」です。このことを多くのメンバーへ共有し、多様性を受け入れる団体を引き続き目指していくべくメンバー全員が拡大に対して関心を持てるよう本年度は拡大委員会ではなく、会員拡大会議体を設置いたします。

 今後も変わらぬ普遍的な青年会議所の価値である、「個人の成長」、「社会への奉仕」、「海外との友情」を伝えメンバー全員で当事者意識を持ち新たな志を持った仲間づくりができるよう拡大活動を行って参ります。

 

【結びに】

「未来を恐れず 過去に執着せず いまを生きろ」

堀江 貴文

 私は、青年会議所に成長させていただいたうちの1人です。目的が無くともスキルは無意識に培われ、発展していきます。しかし、身についたスキルや広がった人脈は使わなければ意味を成しません。また、青年会議所が自身の成長にどう役立っているのか、も実感することはできません。おそらく、私は青年会議所に入らなければ、漠然と“新しいことをしたい“などと考えるだけの日々をダラダラと毎日を過ごしていたと思います。

 しかし、青年会議所活動へ積極的にトライしたことで、やってみないと分からない、の精神も身につき、2024年には新たな会社を創業するに至りました。

 豊川青年会議所は単年度制により組織は変わり続け、40歳と決められた年齢もあり所属メンバーの顔触れも変わっていきます。だからこそ豊川青年会議所の変わらぬ良さを受け継ぎ、いまの豊川青年会議所だからこそ持つ、良いものを見つけ新たな一歩を踏み出す年とするべく邁進してまいります。

〈スローガン〉

共に進もう~まちもひとも好きになる組織へ~