【はじめに】

 

あなたは、今の豊川が好きですか。

あなたは、過去の悲しみを乗り越え、平和を願う豊川に誇り持っていますか。

あなたは、未来の豊川にワクワクしていますか。

 

どんな過去も、見方を変えることによって未来への糧となる。

どんな未来も、今この瞬間から始まっている。

今を素晴らしくできるなら、過去はかけがえのない価値となるだろう。

 

過去―現在―未来

自分―家族―友人―恋人―仲間

豊川―日本―世界

 

全てはつながっていて、つなげているのは「人」。

 

人と地域とが共感でつながり

 

地域の課題をチャンスに変えることで

 

未来はもっと楽しくなる!!

 

私はそうなると信じています。

 

2023年度豊川青年会議所は、本年で創立から64年目を迎えます。地域の未来を信じ、英知と勇気と情熱をもって今日の豊川青年会議所を築き上げていただいた先輩諸兄姉、そして日頃から当団体に多大なるご支援、ご協力頂いている地域の皆様や関係諸団体の皆様への感謝と尊敬を胸に、受け継いだ「つながり」を次代につなげていくため、全力で楽しみながら運動に邁進していくことをここにお誓い申し上げます。

 

 

 

 

【地域の課題をチャンスに変える運動】

 

「WAっしょい!!」

 

この言葉を聞いて皆さんは何を思い浮かべますか?

豊川の至る所で開催されている「祭」の風景でしょうか。

 

これは私が2019年度、とよかWAっしょい委員会の委員長として、豊川市の外国人市民の更なる増加が予想される中、日本人市民と外国人市民との間にある、心、言葉、慣習の壁を、交流することで打ち破り、豊川市民として共に生きていく「多文化共生」を推進していくことを目的にメンバーと考えた委員会スローガンです。

 

私は、この地域課題を解決するべく「とよかわ万博2019~食べて、遊んで、踊っちゃおう~」というタイトルで、世界の食を堪能し、ダンスなどを通して交流する事業を、多くの方々の協力により開催することができました。当日は3,000人もの市民の方々に参加して頂き、アンケートには「本当に楽しかった!ありがとう!」などの嬉しい回答もあり、地域の課題をチャンスに変えることができたと大きな達成感に浸った自分がそこにはいました。

 

事業実施から3年後、今では家族ぐるみの付き合いをしているブラジル国籍の友人と話している際に思いもよらない言葉を聞きました。

 

「差別を受けた」と。

 

まさかの言葉に、自分が感じていた達成感は、地域の課題をチャンスと捉えて事業を行ったが解決していなかった事実に打ちひしがれました。共に目的達成に燃えた豊川青年会議所のメンバー、世界各国の友人、国際交流協会をはじめとする豊川市の方々、ボランティアスタッフとして活躍してくれた多くの学生達など、関わってくれた全ての方々に、地域の課題の一つである多文化共生を実現できなかった事実が、とにかく申し訳なく、本当に悔しくてなりませんでした。

 

しかし、この事実を心の底から悔しいと思えたのは、本音を話してくれた友人や、本気で多文化共生を実現しようと事業に関わってくれた全ての方々との「つながり」があったからです。もし事業だけの関係だったら、友人とつながっていなかったら、この事実に気付くことすらできませんでした。

 

 それでもその友人とは、ずっとつながっていて、私に会う度に「どう、元気?」と温かい気持ちで接してくれました。

 

申し訳なく思っていましたが、間違っていなかったと感じた瞬間でもありました。

 

地域の課題をチャンスに変えるためには、誰かの「ありがとう」につながるビジョンで共感を呼び、人と地域の「つながり」を広げることで、豊川の未来を面白くするチャンスに変える運動を展開していくことが必要です。

 

世界に変化を望むのなら、自分がその変化になれ。

初めは少数の人から始まる。

時には、ただ1人で始められるものである。

 

インド独立運動の父 マハトマ・ガンジー

 

 

 

 

 

【スポーツの力で持続可能な部活動の在り方を未来につなぐ】

 

私は、御津高校サッカー部外部コーチとして14年間チームに関わっています。2020年4月に新型コロナウイルス感染症拡大により高校総体東三河予選が中止となった時、自分の無力さを痛感しました。本当ならこの場所で、3年間仲間と共に苦しいことも楽しいことも乗り越え、成⻑した選手達が戦う姿に、多くの方が感動するはずでした。今まで当たり前だと思っていた日常は当たり前ではなくなったのです。

 

Respect the game

全ては最高の試合のためにある自分・仲間・監督コーチ・相手・審判・運営スタッフ・サポーターの全てが最高の試合のためにいて、どれか一つでも欠けたら最高の試合は生まれない。

さあ最高の試合が求める行動をしよう!

 

元名古屋グランパス監督  アーセン・ヴェンゲル

 

スポーツが潜在的に持つ「つながる」力は感動や行動を生むだけではなく、人、地域、社会に好循環をもたらし、社会課題解決の形など見えないものを見えるものにする力を秘めています。

 

昨今、スポーツ庁が教師の働き方改革と共に、部活動の地域移行を踏まえた改革を唱え、全国の自治体において見直しを進めていますが、部活動を存続する自治体もあれば存続しない決断をした自治体もあります。豊川市においては、今後の方針が定まっておらず、課題解決の形が見えていない状況です。

 

時代に合った部活動のより良い持続可能な形を見出すためにも、スポーツの「つながる」力を活かす取り組みが、まさに求められる時代といえます。

 

これから先も夢を持って今を頑張っている子供たちの未来を守るために、スポーツの「つながる」力を活かして、私たちが今できるアクションをより多くの仲間と一緒に運動へと進化させていきます。

 

 

 

 

【多様性溢れるとよかONE TEAMが未来を面白くする】

 

私は、2015年ラグビーW杯南アフリカ戦での勝利に胸が熱くなり号泣しました。国籍も文化も違う、様々なルーツを持つ選手で構成された多様性豊かな日本代表が、「和」の精神を力に「ONE TEAM」で肩を組み国歌を歌い、日本を背負い戦う姿に感動すると共に多様性の可能性を確信しました。

 

豊川市に住む外国人市民は、令和4年5月現在で7,051人と年々増加している中で、第3 次豊川市多文化共生推進プランにもあるように「みんなで進める地域社会づくりの推進」が、より良いまちづくりの鍵といえます。2019年度豊川青年会議所としても、日本人市民と外国人市民が交流できる場所が少ないことから、互いの間にある、心、言葉、慣習の壁を打ち破り、豊川市民として共に生きていく「多文化共生」の実現を目指し事業を実施しましたが、未だ継続性の観点から「多文化共生」の実現に至っているとはいえません。

 

ラグビー日本代表リーチマイケル選手は、インタビューで「日本代表は何で外国人が多い?」という質問に対し、こう答えています。

「それが今の日本だから。ラグビー日本代表の姿は日本の現実だし、未来の姿を先取りしている。多様性の大切さを社会にアピールできる存在なのです。」

 

豊川の日本人市民と外国人市民とが交流する事で多文化共生の楽しさを知り、多様性溢れるとよかONE TEAMの起点となる「継続して会える場所」を創りだすことで、未来を面白くします!

 

互いを認め合い、誰もが楽しいまちを目指して。

 

 

 

 

 

【伝統文化を守り未来につなげる】

 

「わっしょい!!」

この言葉を仲間と共に声を上げ、町内を練り歩くと、まちは活気づきます。

「わっしょい!!」

地域の平和を願い、仲間とともに大筒を担ぎ、お宮に練り込む時、皆の魂が燃えます。

祭とは地域の誇りです。

「わっしょい」という言葉には、「和を背負う=日本を皆が心を一つにして背負う」という意味があります。

 

普段は穏やかなまちも、この時だけは熱くなります。

親戚同士の集まりでは話が弾み、出店が彩る夜のまちには全ての世代が心を躍らせます。

そんな豊川の個性溢れる景色が、いま少しずつ消え去ろうとしています。

 

原因は若い担い手不足と言われています。祭りの継続を断念せざるを得なかった町内もあります。数百年以上の歴史をもつ祭でさえ、担い手不足で伝統文化の継承が危ぶまれている状況です。しかし伝統文化を今日まで継承してこられたのも、そして未来へと継承していくのも人と人との「つながり」です。

 

誇り高き豊川の伝統文化を未来へつないでいくためにも、担い手となる若者世代が、祭の現状を自分事として捉え、人と地域との「新たなつながりを生む場所」を創造する運動を展開してまいります。

 

 

 

 

 

【しあわせ視点の経営で持続可能な社会を実現する】

 

経済とは、「経世済民(けいせいさいみん)」の略語であり、「世の中を治め、人民を救うこと」を意味します。しかし現代においては、この本質的な意味を忘れ経済成長を追い求め過ぎた結果、株主至上主義により社員・顧客・取引先・地域など多様なステークホルダーとの「つながり」が薄れただけでなく、気候危機や生物多様性の損失などさまざまな問題に発展しています。今まで通り経済成長を追い求めるだけでは、人の「しあわせ」を最大化し未来につなげることは厳しい状況です。

 

Gallupが2017年に実施した「エンゲージメント・サーベイ~やる気のある社員の比率は?」では、100人中、世界平均15人に対し、日本は6人と、より少ない結果となっています。では社員の「やる気」「仕事に対するワクワク感」「幸福感」「心のつながり」を表すエンゲージメント(人と人とのつながり)をどう生みだすか。2019年ハーバードビジネスレビューで1.9万人を対象に行われた「メンバーのエンゲージメントを生みだすもの」の調査では、1人で仕事をするが8%、チームで仕事をするが17%、チームがリーダーを深く信頼するが45%と、圧倒的にリーダーの存在がメンバーのエンゲージメントに大きな影響を与えることが分かりました。

 

皆自分が主役の人生を生きているのに、人を役割でしか見ず、魂を入れず数字だけを管理することは確かにその場は合理的ですが、皆の「しあわせ」にはつながりません。

 

リーダーが変われば会社の未来も変えることができます。

仕事=生活するための手段

仕事=しあわせになるための手段

仕事=しあわせ

へと仕事のやりがいを生きがいに変化させていくことが、しあわせ視点の経営の第一歩です。そんな成長を仲間と共に実感し、社員・顧客・取引先・地域など多様なステークホルダーとつながることで、「しあわせ」を生み出す持続可能な社会の実現する運動を展開してまいります。

 

 

 

 

【暮らしやすい豊川を未来へつなぐ交園】

 

私には、とても「しあわせな時間」があります。それは自分が幼いころ楽しんでいた公園に、家族と出かけ全力で遊ぶ時間です。子供が同級生と偶然会ったり、時には自分の同級生と久々の再開をしたりと、人と笑い声とが交わる場所「交園」を未来にもつなげたい。

 

~赤塚山公園30周年~

2023年に開園30周年を迎える赤塚山公園は、多くの市民に愛されている魅力溢れた公園です。噴水でビショビショになりながら水遊びを楽しみ、東三河に流れる豊川に住む生き物を展示している「ぎょぎょランド」でワクワクし、「アニアニまある」では動物とのふれあいで命の大切さを学ぶこともでき、現在では年間40万人もの来場者が訪れています。さらに赤塚山公園は「とよかわブランド」にも認定され、豊川市そのものの価値を高め、観光推進や地域活性化に寄与する場所として期待されています。

この場所を今の子供世代が親となる未来に向けて、人と笑い声が交わり、「しあわせな時間」を感じられる新たな「交園」の形を提案してまいります。

 

~人と地域がつながる交園~

2022年3月25日、豊川公園内に好奇心旺盛な子どもたちの興味を集める「こども広場」がオープンしました。県内初の「インクーシブル公園」は、障害のあるなしに関わらず「誰しもが自由に楽しめる」をコンセプトに誕生しました。

まさに、いろいろな個性や考え方が、遊びを通してふれあい、人のつながりの輪が広がる「交園」です。

 

その一方で、公園の利用方法に関しては「禁止事項」を看板に明記せざる得ない現状もあります。数年前は、多くの方々がバーベキューなどで楽しんでいた場所も、騒音やゴミのポイ捨てなどの問題が発生してしまい、現在ではバーベキュー禁止となっています。

公園利用にあたり「ルールを守る」、他の利用者への「思いやりを持つ」ということは大前提ですが、結果的に公園の利用者が減り、当時では想像が出来ないほど荒れ果ててしまった場所もあります。

 

今ある課題を「人と地域がつながる交園」という新たな可能性へと進化させる運動を展開してまいります。

 

 

 

【組織の成長エンジンとなる会員交流】

 

私は信じています。

メンバーの個性を強みとして活かし、信頼というつながりで結ばれた「やる気」に満ち溢れた豊川青年会議所であれば、今まで記した運動を実現できると。

 

日本の青年会議所は会員減少が進み、会員の平均在籍年数が4年となり、経験の少ないメンバーが数多くいる状況です。豊川青年会議所においては、新たな仲間との出会いに恵まれ、会員数の現状維持はできていますが、昨年、今年と合わせて30名以上の卒業生がいることもあり、今では「共に長い時間を過ごしたメンバー」は数少ない状況です。

 

在籍メンバーの経験が少ないという課題をチャンスに変えるには、まずメンバー同士の「関係の質」を高めることが重要です。メンバー同士の「関係の質」を高めることで、心理的安全性が確保され、自分の考えに固執せず異なる視点で発想し合うことのできる「本音で共創する場」の風土をさらに醸成させることができます。そうすることでメンバーの個性をチームの強みとして活かし、地域の課題をチャンスに変える組織へと進化することが出来ます。

 

対話や交流を通じて「関係の質」を高め、多様な視点から新たな発想が生まれる「思考の質」、「しなくちゃ」という外発的動機付けを「したい!」に変える内発的動機づけにより「行動の質」があがり、結果がついてくる「結果の質」。このGOODサイクルを高速回転させることで、メンバーの「しあわせ」を組織の成長エンジンとなる会員交流を実現します。

 

 

 

【多様性を力に変える理念共感型会員拡大】

 

63年もの長い間、地域の未来を信じ、情熱を燃やしてこられた先輩諸兄姉の想いと、その想いに共感した仲間と仲間との「つながり」があったから、私たちは今も豊川青年会議所として運動を展開することが出来ます。40歳で卒業を迎える青年会議所メンバーが、先行きが不透明で将来の予測が困難な現代において、地域の課題を可能性に変え、持続可能な地域を未来につなげるためには、多様性豊かな仲間の輪が広がっていくことは必要不可欠です。

 

異質であることには価値があり、多様性を力に変える。

 

多様な市民が住み暮らす地域で、社会の課題を解決する運動を展開するには、当然私たち自身が多様な視点を持たなければなりません。そこで本年は多様性が豊かな組織へと進化をする拡大活動を展開します。事業への参加を通して、多くの人とつながり、多くの人に知ってもらい、多くの人に共感してもらうことで、同じ志を持ち行動する仲間を増やすことは、地域の課題をチャンスに変え続けるために最もインパクトがあります。

最大のJC運動である会員拡大。本年度は、共感力をエンジンに全メンバーで展開してまいります。

 

人は集めるのではない。

人は集まるものだ。

それはメンバーの個性をチームの強みとして活かせる魅力的な楽しい場所に。

 

 

 

【むすびに】

 

誰かの「ありがとう」につながる未来であれば、その時点で、1人の未来ではなく、誰かと実現したい未来になります。

 

しかし、未来を変えることを強く信じて行動すればするほど、必ずやってくる失敗や挫折のショックは大きくなるでしょう。そんな時は出来ない自分を責めるのではなく、なぜ自分がその未来を実現したいかを思い出してください。

 

私は失敗などしてないよ。

1万通りのダメな方法を見つけただけだ。

発明王 トーマス・エジソン

 

あなたは1人じゃない。

人は違うから面白い、足りないところがあるから助け合うことができる。

見方を変えれば、自分の足りないところは、誰かの活躍できる場所とも言える。

 

今ある「しあわせ」に感謝し、未来に「しあわせ」をつなげよう

あなたの信じる未来は

必ず誰かの信じる未来とつながり

みんなの信じる未来となる

 

みんなの信じる未来を

人と地域のつながりを力に

全力で楽しみながら実現しよう

 

アクションなくして、リアクションなし!

 

とよかONE TEAM!!