一般社団法人豊川青年会議所 2026年度理事長所信

理事長 田中 大造

【はじめに】

私は8年前、東京でサラリーマンとして働いていました。日々、都心の喧騒の中で過ごしながら、海外を飛び回り、煌びやかな生活を送っているように見えたかもしれません。しかし、心の奥底には常に「自分の原点に立ち返りたい」という想いがありました。
その原点こそが、私が生まれ育った豊川です。私はこの地に戻り、豊川青年会議所に入会しました。この地域の未来のために、自分の力を試したい。そう強く願ったからです。

 けれども私が見据えるのは、単なる組織の存続ではありません。私たちが守りたいのは、このまちの未来そのものです。全国的に少子高齢化が進み、地域経済が縮小する中で、豊川というまちがこれからどんな姿になっていくのか。そこに暮らす人々が、どんな誇りを持ち、どんな笑顔で日々を過ごせるのか。その未来像を描くためには、行政や企業だけでなく、市民の意識と行動を変える原動力が必要です。青年会議所は、その「変化の火種」となる存在です。まちづくりの理念を掲げ、地域を巻き込み、人の心を動かすことができる唯一の民間団体であると信じています。だからこそ、まちの未来を真剣に考えるなら、私たちはまずJCという団体を再生させなければなりません。地域に必要とされる存在であり続けるために、今、私たち自身が変わる必要があるのです。

 私は本気で、豊川青年会議所を変えたい。かつての活力を取り戻し、誇り高く地域に貢献できる団体に再生させたい。そして、まちの未来を支える確かな土台となる組織へと進化させたいのです。そのためにまずは、組織力の回復に全力を尽くします。そして、地域の皆様、私たちを支えてくださったOB・OG諸兄姉、そして新たな仲間と手を取り合い、共に前に進んでいきます。

青年会議所は、地域の未来をつくる「希望の灯」です。
66年間、先輩たちから引き継がれてきたこの灯を絶やすわけにはいきません。今こそ覚悟を決め、改革の第一歩を踏み出す時です。私がその先頭に立ち、まちの未来と地域の持続可能な発展のために尽力してまいります。

【意識を変え、魅力を伝える ~ファンを創る青年会議所のブランディング~】

 私たちの活動は、地域の未来を支える尊い運動でありながら、残念ながら十分には伝わっていない現状があります。 これまでの広報は、活動を発信していくことを大切にしてきました。しかし、情報が溢れる現代において、単なる情報発信では真に届けたい価値が届かないまま終わってしまいます。

 だからこそ今必要なのは、意図的で戦略的な“ブランディング”です。豊川青年会議所という長きにわたる「ブランド」が何に価値を持ち、どんな存在であるべきかを改めて捉え直し、その本質を明確にした上で、ブランドとしてのメッセージを一貫して社会に伝えていく必要があります。

さらに重要なのは、すべてを発信するのではなく、「何を発信し、何をあえて発信しないのか」を明確に線引きすることです。

 本年度は、ブランディング戦略を構築した上で、「何を・誰に・どのように届けるのか」をしっかりと見極めます。そして、地域から必要とされ続ける組織であるために、長期的な視点で持続可能な広報・ブランディングを実行してまいります。

【交流こそ、組織の力 ~つながりを育み、絆を深める~】

 組織の力こそ、青年会議所の原動力です。ともに汗を流す仲間との信頼関係、家族の支え、OB・OG諸兄姉の知恵と経験、姉妹JCとの交流、そして参加率が高くない会員との再接点。これら青年経済人の多層的な「交流」は、組織の厚みを増し、まちづくりへの知見と行動力を飛躍的に高めてくれます。

 近年、交流については例会と別のものとして実施されておりましたが、2026年度は、組織の繋がりを強化すべく、例会としてJC会員との接点を持っていただく機会と位置付けます。JC会員同士、家族、OB・OG諸兄姉、大墩国際青年商会、このすべての接点を大切にし、“仲間づくり”と“関係づくり”に重点を置き、温かく、強い組織を築き上げてまいります。

【72年に一度の機会を、まちの飛躍に ~豊川稲荷御開帳へ~】

 2026年、豊川市を代表する観光地でもある豊川稲荷では、72年ぶりとなる御開帳が行われます。この歴史的な節目を、単なる宗教行事にとどめることなく、地域の経済や文化を盛り上げる絶好のチャンスと捉え、地域との連携のもとで、青年経済人の強みを活かして積極的にプロモーションを展開する必要があります。

 私たち青年会議所が果たすべきは、豊川稲荷ご開帳を最大限PRし、市外から訪れる交
流人口を増やし、まちの魅力を外に届けるための旗振り役になることです。この一大イベントの成功に向け、準備段階から地域を巻き込んで発信してまいります。

【豊川発、話題の一品を ~地域名産の発掘へ~】

 「豊川に行ったらこれを買いたい」
そう思われる“地域の顔”となるお土産が存在しない、それが地域の課題だと、何度も耳にしたことがあります。本年度72年ぶりに地域最大の観光資源である豊川稲荷の御開帳が行われるのに、お土産としてPRするものが無いと言われてしまうのは、大変残念なことです。

 しかし私たちには、豊川に眠る可能性の種を発掘し、それにスポットライトを当てられる企画力があります。地域事業者の方々とも連携し、青年らしいアイディアで名物を再発見し、話題性のある商品として、観光名物のブランディングに繋がる活動を展開していきます。

【全員拡大 ~一人ひとりが組織の未来~】

 2025年度の会員数は、期首時点で59名。近年稀に見る少数体制でのスタートでした。
この状況を「危機」と捉えるのではなく、「再構築の好機」として前向きに捉え、全員が“ひとりの拡大担当者”となって、新たな仲間との出会いに能動的に動く年として動き始めました。

 2026年度は、拡大活動をより一層一人ひとりの運動機会として捉えてもらい、ともに楽しみ、笑い合い、地域の未来を真剣に語れる。そんな地域に想いのある仲間を一人でも多く迎え入れられるよう、拡大活動を“楽しい運動”として位置付けてまいります。

【地域共創 ~子育て世代と描く未来~】

 青年会議所は、地域の未来を担う青年たちの集まりであり、同時に、まちの中心的な世代である子育て世代の代表でもあります。 私たちが地域で活動する意義は、次の世代が安心して暮らせる環境をつくり、子どもたちに誇れる豊かなまちを残すことにあります。

 しかし今、社会は急速に変化し、子育て世代が抱えるニーズや課題も多様化しています。だからこそ、私たち青年がその声をしっかりと汲み取り、まちづくりに反映させていくことが必要です。

 本年度は、その第一歩として、市民祭りである「おいでん祭」を舞台に、地域の方々のリアルな声に耳を傾ける運動を行い、ニーズをまとめ、まちづくりに活かしてまいります。